二ヶ月ぶりくらいに、岡山県立美術館の
常設点を見ようと思っていったら、「斉藤真一 さすらい展」も
開催していたので、ついでに入ってみることにした。

- 作者: 斎藤裕重,イシイ省三
- 出版社/メーカー: 日本文教出版岡山
- 発売日: 2012/05
- メディア: 文庫
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まず常設展を回る。ちょっと前まで知らなかったが
一ヶ月に一回くらい細かな作品の入れ替えをしていたらしい。
県立だけあって、入館料がべらぼうに安い(300円)なので
毎月行ってみたいと思っている。
今月の常設展の見所は、雪舟の影響を受けた人たちの作品
狩野探幽とか、雪村とかいろいろ。
雪村の作品は雪舟の影響を受けているとは言っても独自の
境地を見出している。近代の抽象絵画にもつながる大胆な
構図はなかなか見ていて飽きない。10分くらい観たかな。
ヒトラーはベルリンで日本展をしたとき雪村を絶賛したというが
抽象芸術を退廃芸術として焼き捨てたヒトラーには
似合わないエピソードだ。日本との仲を深くしようとした
政治的なパフォーマンスではないかと勘ぐってしまう。
ほかの画家たちは、雪舟の作品を純粋に模写したような
作品ばかりだった。模写ということで
正確さを出すためか、筆の勢いがなくて、なんだか
マジックで書いているような風合いになっていた。
だが、期待していた雪舟自身の作品は一枚もなし。
雪舟は岡山出身なので、県立美術館も雪舟の国宝絵画を何枚か
所蔵しているのに、一回も県立美術館で観た事はない。
多分ほかの美術館に高額で貸しているんじゃなかろうか。
岡山県の財政は破綻していて、少しでも金がほしいんだろうけど
「岡山県立美術館蔵」と本に紹介されている絵が、
とうの岡山県立美術館で観られないのは悲しいではないか。
「斉藤真一 さすらい展」は、ついでだったが
案外良かった。ルソーの影響を受けすぎて、狙いすぎだったけど
聾女のシリーズには感動。絵葉書を買おうと思ったが
やはり印刷になると全然色が違うので、買うのやめた。