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的場昭弘『マルクスだったらこう考える』光文社刊の感想

投稿日:2005-02-20 更新日:

マルクスだったらこう考える

マルクスだったらこう考える

もし、マルクスが21世紀の東京に現れたらとしたら、

能力主義に完膚なきまでに打ちのめされても、何も行動を起こさない

労働者に憤慨し、この状況にあった理論を作り出すだろうという

仮定から話は始まる。マルクスを扱った本としては珍しいのではないかと

思うが、この本の著者はマルクス原理主義者ではない。

マルクスの悪いところ、時代に合わなくなったところは組み替えるのを

辞さない。

僕は、靴という労働集約型産業に従事している。

生産拠点が今は中国であるが、人件費の高騰を見込んで

ベトナムやタイ等に移す計画もある。

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グローバリゼーションというのは国家が資本を制御できなくなること、

それは工場の国外退避だけでなく、移民労働者の流入によっても

確実に起こっている。

しかし、20代の自分たちの世代は、あんまり危機感を持っていない。

派遣でもフリーターでも正社員でも、抗議の声を挙げることはない。

ソ連の崩壊で、すでに死んだ思想とされているマルクスだけど、

グローバリゼーションで資本が世界中の低賃金労働者を

狙い、ホリエモンがありえない株の買占めをしだした今、

もう一度再考すべき思想ではあると思う。

ナニワ金融道』の青木雄二がいみじくも言っていたが、

資本主義を知ろうとしたら、資本主義を反駁しようとした方から

見るのが一番いいのである。キリスト教を知ろうとしたら

アンチ・キリストや異端の立場から見たら輪郭がハッキリするのと同じく。

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