東北を営業で廻っていて、その土地の歴史を
知ろうとすると、中学程度の日本史の
知識しかかないので
訳が分からなくなることが多い。
米沢は伊達政宗がむかし領主であったが、
いつのまにか上杉家の所領になっていて
毎年やっているという。
しかし、上杉家は新潟(越後)が本拠でなかったか??
その領地転封のゴタゴタ、歴史的経緯をよく理解できる
のがこの小説である。
上杉家の陪臣でありながら、豊臣秀吉から
米沢の地を貰いうけ、関ヶ原の敗戦によって
主人が転がり込んでくるまでの直江兼続の活躍と
葛藤が描かれる。日本史知識ゼロの自分にも
東北各県の歴史的経緯が実に分かりやすかった。
石田光成と直江の敵味方越えた友情にも涙。
会津120万石の上杉家が米沢30万石の
土地に転がり込み、社員のうちほとんどが
管理職・重役クラスとなった、某ニッポン放送のように
矛盾満載だった米沢をどう立て直していくか、
それは上杉家に来た養子、鷹山に受け継がれていくが
その奮闘振りも昨今のリストラしか考えない
日本企業がもっと見習うべき。