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要改稿 読書ノート

瀬戸内寂聴『釈迦』感想。女性にぜひ読んで欲しい!

投稿日:2006-02-22 更新日:

80歳になり、死期を悟った釈迦

死出の旅立ち。

基本は、岩波文庫収録の

「ブッダ最後の旅―大パリニッバーナ経」だが、

瀬戸内寂聴ならではの趣向、尼僧の側から見た

釈迦像が描かれている、他の釈迦伝とは

一風変わった作品。愛欲の問題を、どの

釈迦伝よりも色濃く取り扱っている。

パーリ語原典だけでなく、サンスクリット語訳や

漢訳から縦横無尽にイメージを得る着想が

すばらしいが、原始仏教の最良の部分は

完璧に押さえている。

「アーナンダよ、逆境の時や苦難のときは、

 ただひたすら耐え忍んでいればいい。

 時が必ず平常に戻してくれる。

 この世では、同じ状態は続かないのだ。

 それが無常の法則なのだ」

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釈迦臨終の時、

すべてが釈迦を荘厳するときの

描写も素晴らしく、体中に鳥肌が立つほど

はかなくて、美しい。そして

最後まで理性を失わず、死んでゆく釈迦は

人間のたどり着ける最後の覚悟と強さを

感じさせてくれる。

釈迦 (新潮文庫)

釈迦 (新潮文庫)

「アーナンダよ。泣くな、悲しむな。嘆くな。

 私は常に説いてきたではないか。

 すべての愛するもの、好むものとは必ず

 別れる時がくると。遭うは別れの始めだと。

 およそ生じたもの、存在したものは、

 必ず破壊されるものだということを。

 これらの理が破られることはないのだ。」

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