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『イワン・デニーソヴィチの一日』感想。極上の楽天家とは

投稿日:2007-02-14 更新日:

イワン・デニーソヴィチの一日

イワン・デニーソヴィチの一日

ソルジェニーツィン, 木村 浩

ロシア文学は良い。

登場人物の過剰なまでの楽天的思考、一日を生ききるしぶとさ、

日本文学には到底望めないものがそこにはある。

ロシア正教、ロシアの広大な荒野、零下40度を越えるブリザード

その強烈な人間性をつくりだすのだろうか。

この『イワン・デニーソヴィチの一日』はソルジェーニツィンが

スターリン支配下のソヴィエト連邦時代に

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ラーゲリ(収容所)に些細なことから嫌疑をかけられ8年間

強制労働させられていた体験をもとに、真冬の囚人の一日を

淡々と描いている。

零下40度、ろくな食事もなくて気を抜くと凍死してしまう凍土での

労働。悲惨な境遇のはずなのに、そこを生きる囚人たちは

日々のちょっとしたことに喜びを

見出してしぶとく耐える。そこには感傷的なペシミズムはなく

そこはかとなく楽しさ・ユーモアさえ感じられる。

それは今の日本に欠けている、ほとんど唯一のものだとおもう。

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