原 泰久
題名が普遍的すぎて印象に残らず、素通りしていた漫画であったが
ふと表紙を見ると、剣や甲冑が中国の春秋戦国時代風だった。
これはチェックするしかあるまい、と読んでみた。
舞台は戦国時代・秦。のちに始皇帝となる政と、その影武者になって
命を落とした者の朋友が主人公となっている。
戦国時代は複雑すぎてあまり詳しくないのだが、比較的時代考証も
しっかりやっているように思う。
3巻まで読んだが、始皇帝が天下を取る初端となった西の
異民族との同盟の話が興味深い。
当時中国人にとって、世界といえば中原だけだった。
しかし、始皇帝はその外にも世界があると分かっていた。
始皇帝には、まだ謎がたくさんある。なんせ2200年前の話だ。
その謎を作者がどう創作で埋めていくのか、興味がある。
あわせて張藝謀の『英雄』を観るとおもしろいと思う。