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ヴァールブルク『異教的ルネサンス』感想。大学時代の恩師が訳していた

投稿日:2008-11-06 更新日:

異教的ルネサンス (ちくま学芸文庫)

異教的ルネサンス (ちくま学芸文庫)

「細部に神は宿り給う」という言葉はどこかで
耳にしたことがある御仁は多いだろうが、ヴァールブルグが
言ったということを知ってる人はあんまりいない。
そもそもヴァールブルグがあまり知られていない。

継承者であるパノフスキーやゴンブリッチのほうがよほど有名だ。

美学・美術史の授業を大学で受けたとき、ヴァールブルグは
パノフスキーよりおもしろそうだなと思ったが、結局
原著には触れずじまいだった。そもそも本が日本で出てないし。

最近ヴァールブルグ再評価の動きが本国ドイツやらアメリカ日本等で
起こっているらしく、ちくま学芸文庫に収録されていたので
読んでみることにした。

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読んでみると、弟子の方が有名になる理由がよく分かった。
とにかく難しすぎる。西洋東洋問わず、古代から近世までの歴史や思想を
相当詳しく知らないと半分も意味が分からない。
さすが「細部に神は宿り給う」と言った人だ。

細かすぎて、もう。

ただ、今でこそルネサンスの時代は理性賛美の陰に古代の非合理な
ドロドロが畳み込まれていると知られているが
ヴァールブルグの時代にはルネサンスは理性の時代であると
思われていた。その理性の陰に隠れていたものを
暴いたのがヴァールブルグだった。

ルネサンスにとどまらず、宗教改革のルターの時代にさえ、
占星術ホロスコープ)が大いなる力と影響力を保っていた
という実証的な指摘には更に驚かされた。

大学の時の指導教官が今、ヴァールブルク全集(全7巻)の
翻訳を手がけているとこの本を見て知った。
いずれ読んでみたいが、まずパノフスキーを読んでからじゃないと
全く歯が立たない気がする。

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