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読書ノート

中山元『はじめて読むフーコー』感想。フーコーの輪郭がよく分かる良書

投稿日:2008-11-21 更新日:

フーコーは大学生のときに知ったが、あまり興味を持ってなかった。
フランス現代思想をあまり好きではなかったし
カントとか西田幾多郎、ハイデッガーとか当時自分が
好きだった哲学者とは異質なものを感じていた。

そのころは、具体的な物に拠らない純抽象的な哲学を上に見て、
歴史とか物に依拠する哲学を重視していなかったような気がする。
(若さゆえの過ち。今は歴史を学ぶことの重要性が分かった。)

フーコーは哲学者というより歴史家の側面が大きいかもしれない。
フーコー本人も哲学者と呼ばれるのを嫌がっていたようだし。

世界史でフランスや西欧の歴史は習ったが、だいぶ忘れてしまっていたので
フーコーの著作にいきなり挑んでみたが、無理だった。
同著者の「フーコー入門(ちくま新書)」も難しかった。

自分にはフーコーは無理なのかなぁと思いつつ手に取ったこの本。
フーコーの輪郭・フーコーの問題意識の在り処が把握できたと思う。

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以下、面白かったところの引用

狂者が精神の疾患をやむ病者としてよりも、
道徳的に問題のある人物としてとりあつかわれた。

労働することを自己目的とし、
労働そのものを倫理的に位置づける資本主義の現代。
資本主義は、労働そのものに価値があり、
狂者とは労働倫理に反するものとなった。

狂者は監禁から開放されたが、
常に半人前であり分別が足らない者として
子供のように命令される存在となった。

狂者は常に自分が悪いことをしているの
ではないかとおびえる生活を送る。

はじめて読むフーコー (新書y)

はじめて読むフーコー (新書y)

近代にパノプティコン(一望監視型監獄)が出現し
学校・工場・オフィス・軍隊・病院などあらゆる近代的装置に
パノプティコンの監視の方法論が適用されているという
指摘には戦慄を覚えた。近代社会を支えてきたのは監獄のメソッドだった。

現代の、どこにでも監視カメラがあるという状況は
パノプティコンの監視装置を更に拡大し、巧妙化したものだろう。

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