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金庸『倚天屠龍記』感想。武侠世界が実際の歴史とリンクする面白さ

投稿日:2008-12-31 更新日:

射雕英雄伝』五巻、『神雕侠侶』五巻から続く『倚天屠龍記』最期の巻。壮大な物語がついに完結する。実際の歴史と平行線をたどっていたが、モンゴル族の元が崩壊し、明が建つところで虚構と現実が交差する。その壮大な構想と意図に思いを馳せると、スケールの大きさに呆然としてしまう。

倚天屠龍記〈5〉選ばれし者 (徳間文庫)

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前二作とは違い、『倚天屠龍記』は正史『明史』からの引用も多くかなり参考にしていると思われる。そのため第五巻はややスピード感に欠けるというか主人公の優柔不断さもあいまって、なかなか読み進めなかった。

最期も結局物語がブッツリ切れる形で終わっていて『天龍八部』のような終わり方だったが、このあたりから金庸はラストを閉めないようになったのかも。いろいろ想像をかき立てられるので、自分はこういう終わり方も嫌いではないが香港映画の突然「終劇」症候群も金庸の影響なのかもしれない。

倚天屠龍記』の主人公の行動を見ていると、真のラストは『School Days』の「Nice boat.」な結末しか想像できないところが怖い。

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今年は今まで長すぎて読み続けられなかった金庸をやっと読むことができた年だった。コツはどんどん登場人物が出てきてこんがらがっても気にせずに読むことだろう。そもそも金庸小説は中華世界では何度も読んで楽しむものだし。

もっと読みたいが、日本での金庸はとりあえず打ち止めにしておこうと思う。面白すぎて他のことができなくなってしまうことがあるから。後は台湾に行った後、原文で読んでみたいと思う。

倚天屠龍記(いてんとりゅうき)DVD-BOX1

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