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読書ノート

吉本隆明『日本人は思想したか』、『悪人正機』、『最後の親鸞』

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 3月16日に吉本隆明が逝去しました。ついに、という感じでした。自分の世代(30〜35歳)くらいにとって、吉本隆明は「すごいすごいと言われるけれど、よく分からない存在」でした。むしろ「吉本ばななの父」というイメージのほうが強い。1995年以降、吉本隆明オウム真理教を擁護したということで非難されていて、自分もそれはひどいと思って、吉本隆明の本を読もうとはしなかったけれど、1998年に好きな哲学者・梅原猛との対談集が文庫化されたので大学に入ってから梅原氏目当てで読んでみました。

日本人は思想したか (新潮文庫)

日本人は思想したか (新潮文庫)

 大学に入りたてで何の知識もなく、相当難しかったですが、丁寧な注釈が付いていたし、何より碩学の臨場感あふれる応酬が当時の自分の知的好奇心を煽って、それまで興味のなかった日本の思想や文化を勉強するきっかけとなりました。それから2年くらい後、親鸞に興味を持って色々読んでいた頃、吉本隆明

最後の親鸞 (ちくま学芸文庫)

最後の親鸞 (ちくま学芸文庫)

を読みました。親鸞論は無数に出版されていますが、どれも毒気を抜き去った穏当な解釈になっているのに対して、この本は「信」と「非信」の間を揺れ動き、絶えず行き来していたという親鸞像を描いており、今でも一番面白い親鸞論だと思っています。その後、糸井重里との対談

悪人正機 (新潮文庫)

悪人正機 (新潮文庫)

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も読みましたが、こちらはかなりくだけた口調の対話で、内容も生活に密着したもので、悪乗りしている吉本隆明が面白かった記憶はあるけれど、あんまり内容は覚えていません。最初に吉本隆明を読む場合、いいかもしれません。

 それが縁なのか、吉本隆明は「ほぼ日」にも登場するようになり、「吉本隆明プロジェクト」というのが始まり、講演集などが出版されています。

W>吉本隆明五十度の講演(DVDーROM MP3セット) (<DVDーROM>(Win版))

W>吉本隆明五十度の講演(DVDーROM MP3セット) ((Win版))

今、売り切れているみたいですが、MP3版は五十回分の講演で28,000円。高いですが、一回の講演を560円で聴けると考えれば、元はとれると思います。いずれ収益が貯まれば、無料公開するそうです。

吉本隆明糸井重里に残した言葉。

「死っていうのは、じぶんに属してないんですよ。
 じぶんは死んじゃうんで、わからねぇから、
 家族とかね、周りが決めるものなんです」
 死んでやろうかと思ったときそのことに気付いた、
 と、闘病がはじまったころに言ってましたよね。

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