元自衛隊の織田邦男元空将が「東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自の戦闘機に対し『攻撃動作を仕掛け、空自機が離脱した』」としていました。
現役自衛官ではないし、事実なのか分からなかったのですが、防衛省幹部が共同通信の取材を受け大筋で事実関係を認めました。
画像は F22 Raptor (クリエイティブ・コモンズ)
中国機、空自機に攻撃動作 空自OB指摘、防衛省幹部認める - 共同通信 47NEWS
今回の事件はまだはっきりしていないのですが、大筋で言えば、まず中国空軍の戦闘機が領空侵犯をしたため、自衛隊機がいつものようにスクランブル発進し警告を与えました。
いつもは何事もなく帰っていく中国機ですが今回は自衛隊機に攻撃動作を見せます。自衛隊機は危険を察知し自己防衛機能を使い、離脱したということです。
攻撃動作は「ロックオン(Lock-On)」か
攻撃動作というのは抽象的すぎて何かわからないのですが、ネットでは「ロックオン(Lock-On)」されたのではと予測されているようです。
ロックオンされて照準を合わされ、もし自動追尾型のホーミングミサイルを発射されると、撃墜される可能性はかなり高まります。
国際法上では射撃管制装置を使用して照準し、いわゆる「ロックオン」することは武器指向(武器の使用)と判断されるそうです。そのため、ロックオンを受けた時点で反撃をしても良いことになっています。
自衛隊は攻撃動作をされても逃げるしかない
まだロックオンされたのか分かりませんが、何らかの意図的な攻撃動作があったのは明らかです。しかし、日本の自衛隊は攻撃動作をされても現状の法律では逃げるしか選択肢がありませんでした。
中国空軍はそれを知っていて、攻撃「動作」だけでは反撃されることは無いと見越しての挑発行為です。
日本は現状、攻撃動作を受けても逃げるしかなく、これでは制空権を握っていると言えないと思います。
2013年の中国海軍による射撃管制用レーダー照射事件
2013年1月30日午前10時頃、東シナ海で中国人民解放軍海軍の江衛II型フリゲート「連雲港」(522)が、海上自衛隊のむらさめ型護衛艦「ゆうだち」に対して、火器管制レーダー(射撃管制用レーダー)を照射した事件がありました。この時も日本の海上自衛隊は何もできませんでした。三年前は海で、今回は空で、中国軍の挑発はエスカレートしています。
今月初めには中国軍が尖閣諸島周辺に現れる
6月9日に中国軍が尖閣諸島周辺に現れ話題になりました。今までは漁船(漁船に偽装した軍艦かも)が入ってきていましたが、ついに軍艦が入ってくるようになってしまったのです。これでは制空権だけでなく、制海権も危ういです。
なぜ中国軍は挑発するのか
中国はなぜ挑発行為を続けるのでしょうか。南沙諸島でアメリカと敵対し、台湾とも連絡を断とうとし、日本へも侵入するとは。中国国内の不満のガス抜きや軍の暴走という説もありますし、イギリスEU脱退で欧州が混乱している機に乗じて極東で日本にちょっかいを出してみようとしたのかもしれません。日本のバックには日米安保条約を結んでいるアメリカがいて、下手に動くとアメリカが出てくることも分かっていると思いますが、オバマ大統領なら大丈夫と高をくくっているのでしょうか。
しかし、日本は参議院選挙まっただ中です。今こんな事件を起こしたら、憲法改正をして日本も他国と同じような軍隊を持とうとする安倍自民党政権に有利になるだけだと思うのですが。とにかく今は事件の詳細が明らかになるのを待つだけですが、もし自衛隊機が撃墜でもされていたら、一気に憲法改正に国民が動き、歴史が変わっていたかもしれません。今年はほんとうに色々起こる年です。