中国の長江の洪水がいよいよ大変なことになってきました。特に武漢の街はほぼ水没しつつあります。
過去最大級の大洪水になると予測
すでに鉄道や地下鉄の駅に浸水し、交通網はズタズタとなっています。食料品や医薬品の流通も心配です。また水を媒介とする感染症が広がっているというニュースもありました。
長江中・下流域の全域で警戒水域を超過しており、湖からは逆流もあります。さらに長江水文局は想定外の大洪水が発生する恐れがあると発表ました。
洞庭湖の全ての流域でも警戒水域を超えたため、湖南省の柘溪ダムの最大流入量が毎秒2万立方メートルを超えており『千年に一度の大災害という深刻なレベルに達する』としています。
未曾有の犠牲者が出てしまうかも
台湾を通過した後の台風の影響もあり、まだ被害は拡大しています。
上の記事でも書きましたが、1931年の洪水では370万〜400万人の死者が出たとされています。1,000年に一度の被害になるということは、1931年の死者よりさらに多くの犠牲者が出てしまいかねません。中国や台湾には今でも天災は徳のない為政者のせいだという観念が根強く生きているので、反政府のデモなどが勃発するかもしれません。
天災ではなく人災
長江流域のダムは「オカラ工事(手抜き工事)」ばかりで、貯水能力があまり無く、もともと発電に重きをおいているため今回のような水害に弱いことは前に書きました。
さらに武漢の街などではもともとあった湖の多くを無理やり埋め立ててしまったため、豪雨が降っても地面が水を吸収できず、大洪水となったそうです。埋め立てたところも地盤がしっかりしていないので、いずれ水が引いても復旧にはかなりの時間がかかるでしょう。すでに中国の人々には政府に対する怒りが相当たまっているようです。