昨年いろいろ話題になっていて気になっていた漫画『聲の形』を第一巻から第七巻まで全巻一気読みしました。

聲の形 コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
- 作者: 大今良時
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/12/17
- メディア: コミック
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聴覚障碍者へのいじめを描いた重い内容
絵柄はわりとかわいらしいのですが、内容は聴覚障碍とそれに対するいじめという、そうとう重いものでした。
いじめをする側、積極的に加担する者、見て見ぬふりをする人、責任逃れする教師、そしていじめられている本人の背景が少しずつ明かされていきます。
小学校高学年という時
小学校を卒業してからもう四半世紀以上経ちますが、あの頃のことは妙に覚えています。5年前、10年前の記憶は曖昧としているというのに。
正直思い出したくないような記憶で、『聲の形』の主人公のように「あのころの自分を消してしまいたい」と思うことばかり。
主人公は成人するまでに失った関係を少しずつ不器用ながら手繰り寄せていくのですが、自分にはその機会はあっても動かなかった。
もうすっかり生活の基盤を台湾に移してしまったので、今後そんな機会もないのですが、この漫画を読んでいたら自分のあり得たかもしれない未来を考えてしまいました。
作者は女性?
「このマンガがすごい!2015 オトコ編」第1位を受賞しているし、少年マガジン連載だというし、大今良時(おおいまよしとき)という名前から男性の漫画家と思って読んでいました。しかし、中盤くらいの女子同士の感情描写が男性が描けないような複雑さだったので、後で調べてみたらやっぱり女性漫画家でした。『鋼の錬金術師』の荒川弘もそうですが、少年漫画を描く漫画家はなぜ名前も男風にするのでしょうか。
女性漫画家が描く男の主人公はイマイチ感情移入できないキャラが多いのですが、この作品の場合そんな心配はなくてものすごく入り込んでしまいました。
考えぬかれた構成
少しずつ明かされる各キャラクターの背景とか、あえて語らないけれど謎の多い設定とか、ポリフォニー的な漫画で何度でも読めます。再読して初めて分かるところとかもあり、短いけれど中身はかなり濃いです。
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