本当は台湾で見た『シンゴジラ』を日本でもう一度見ようと思っていました。でも新海誠の『君の名は』が猛烈に話題になって大ヒット中ということで、こちらを見てきました。月曜の16時開演でしたが、客席はほぼ満席でした。カップルばかりかと戦々兢々してましたが、女性同士、男グループという客も多くてちょっと安心。さすがにアラフォーのおじさん一人というのは自分一人なようでしたが。
あの「新海誠」が大ヒット?
新海誠の作品はだいたい見ていて、私は好きなんですが、自意識過剰のこじらせたキャラが多いので、嫌いな人も多い監督です。台湾で新海誠の作品を見る授業などもしているのですが、ほとんどの学生が新海誠の絵の綺麗さには感嘆するもののシナリオには批判的でした。
だから、「君の名は」もやはりこじらせ系のキャラたちのアニメかと思いましたが、純粋にエンターテイメントとして面白かったです。奇しくも『ゴジラ』と同年に公開されたという実写の『君の名は』は聞くところによると男女のすれ違いのストーリーだったそうです。携帯電話の普及した現在、そんなすれ違いなんて起こらないですが、新海誠はSF設定も入れつつ、うまくドラマに仕立ててました。
新海誠・過去作との関係
そういえば、新海誠の衝撃のデビュー作『ほしのこえ』も時間をあつかったSFでした。
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新海誠の作品では一人で全部作ったという凄みも含めて『ほしのこえ』が一番好きでしたが、『君の名は』はコレを超えました。
『雲のむこう、約束の場所』はあまり覚えてないですが、セカイ系的SFだったような。絵は綺麗でしたがストーリーが良く思い出せないほど印象が薄いです。
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『君の名は』はある地域の物語で、世界全体がどうのこうのという話ではないです。『ペルソナ3』に対する『ペルソナ4』みたいな感じでしょうか。ローカルな民俗の話なども出てきて面白いです。
『秒速5センチメートル』は、心をえぐられるようなストーリーでした。20代中盤の男は不用意に見ると大ダメージを受ける可能性があります。
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私も盛大に心をえぐられた一人でしたが、『君の名は』はそのえぐられた心を補完してくれるストーリー。劇中何度も泣きそうになりました、というか泣きました。映画館だから我慢しましたが、一人で部屋で見てたら号泣でしょう。
『言の葉の庭』は新海誠のこじらせ感MAXのキャラが出てきます。

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でも絵と音楽は本当に綺麗で、それだけでも見る価値はあります。『君の名は』は絵の綺麗さはもちろん、音楽の良さもさらにレベルアップしてます。ときどき挿入される歌がどれも良い。終わりに流れる歌では4DXでもないのにさわやかな風を感じるほど。サントラCDが出ているので、ちょっと買っとこうかと思います。

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ストーリーに関わるネタバレ満載のことはまた後日書きます。ちょっと今日は書ききれないし、一時帰国中は犬の散歩やら祖母のお見舞いとかいろいろあるので。
新海誠『君の名は』小説版
さっきAmazonをみてたら、『君の名は』の小説版も出てました。今、Kindle版だと書籍版の600円の半額、300円で買えます。しかも20パーセントのポイント還元!小説だと映画で描かれていないことも書いてあるそうです。私も早速買いました。また読みながら映画のすばらしい場面を思い出したいと思います。
本編でこぼれ落ちたエピソードを補完する小説も出ています。こちらも読まねば。
『シンゴジラ』の興奮冷めやらず、帰国などでバタバタしていて『シンゴジラ』のレビューもかけていないというのに、またこんなに面白い映画が出てしまうとは。今年の夏は豊作でした。普段一年に一度映画を観るか観ないかですが、今夏は二つも観てしまいました。