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台湾 読書ノート

李登輝『新・台湾の主張』が中国語訳され台湾で出版。「尖閣諸島は日本のもの」と書いてあるため、出版記念式典で罵声を浴びる。

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 李登輝が92歳の時、日本語で執筆した『新・台湾の主張 (PHP新書)』が中国語に翻訳され、台湾で出版されました。

出版記念会で男が男が乱入、李登輝を罵る

 出版記念式典が行われましたが、そこに男が乱入「李登輝は日本人だ!」「尖閣諸島(釣魚台)は台湾のものだ!」と叫び、警備員に締め出されていました。李登輝は最近日本へ赴いた時も空港で同じような罵声をあびていました。なぜなら、この『新・台湾の主張 (PHP新書)』に李登輝は「尖閣諸島は日本のものだ」と銘記してあるからです。

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国民党政府を批判した部分も問題となる

 また第二次世界大戦後、日本軍が撤兵し中国国民党の軍隊が来たことを「犬が去って豚が来た(うるさいけど規律を守る日本軍が去って、貪欲な国民党軍が来た)」と書いたことも問題となっているようです。李登輝は国民党主席であった時代もあるわけで、国民党系の人たちからは猛反発をくらっています。
 日本の大使館にあたる「交流協会」の代表も呼ばれて挨拶をしていましたが、「犬の代表が挨拶をしてすみません」となかなかブラックなユーモアを交えて空気を和らげていました。

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李登輝出新書 遇抗議民眾當面嗆聲-民視新聞

李登輝の圧倒的な教養と日本語文章力

 私はこの『新・台湾の主張 (PHP新書)』の日本語版をkindleで読みましたが、最初から最後まで卓越した文章力と、日本語で世界の古典を読みあさったという李登輝の教養に圧倒され続けました。今の日本で李登輝ほど迫力のある日本語を書ける人はほとんどいないと思います。
 その筆力で李登輝が一学者から政治家に抜擢され、偶然が重なり総統まで上り詰めた激動の人生と、昨年の「ひまわり学生運動(太陽花学運)」台湾の激動の歴史が語られるので、面白すぎて寝られずに一気に読んでしまいました。教養あふれる文章でありながら、大変読みやすく、はやければ2時間程度で読むこともできます。
 台湾人は日本びいきの人でもやはり「尖閣諸島は台湾のものだ」と思っている人が多いです。そのため、中国語訳されたとしてもこの本を読む人は少ないかもしれません。ただそれではあまりにももったいないです。日本人にも台湾人も読んで損することは絶対ない本です。

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