台湾はまだ梅雨の真っ只中です。ここ数年は梅雨でもあまり雨が降らず、水不足になるところもありましたが、今年は逆にとんでもない豪雨で、各地で被害が続出しています。
台北・新北・基隆等、台湾北部で豪雨特別警報
6月2日金曜日は朝方からバケツの水をひっくり返したでは済まないほどの豪雨でした。
ツイッターでは放水車で放水され続けているような雨という形容がありましたが、まさにそんな感じの雨。
だいたいこういう豪雨も、しばらく経てば弱くなるものでしたが、今回のは弱まる様子はなく、雷まで鳴り出しました。
スマホに政府からの緊急警報メッセージ届く
そこへiPhoneにとつぜん政府から豪雨に注意してくださいという通知が送られてきました。
どうやら各携帯キャリアを通じて、全国民に送られたようです。
比較的大きな地震のためにこのようなシステムが去年設置されたようですが、豪雨などの自然災害にも対応しているのかもしれません。
しかし、送られてきたのはとんでもない豪雨が始まって2時間以上経ってから。台湾人も私も、そんなの言われなくても分かるよと突っ込みたくなりました。
ダムでは緊急放水開始
毎年、梅雨でも水が集まらず、水不足が懸念されるダムですが、今年は雨が降りすぎて放水しなければならなくなりました。
台北市民の生活を支える桃園の石門ダムでも緊急放水が行われました。
彰化、嘉義等、台湾の穀倉地帯にも豪雨が襲う
台北を襲った梅雨前線は南下し、農家の集中する中部を襲いました。
嘉義、彰化の農作物が水没してしまい、被害が出ています。
この被害を見越して、台湾人たちは野菜を買おうとスーパーや市場に殺到、葉物野菜を中心にかなり値上がりしたようです。
こういう混乱はだいたい台風の前に発生するもので、梅雨の豪雨で起こるのは珍しいです。
台湾中部の南投では土石流で道路が寸断、家が流される被害
台湾中部の南投県では、一晩で300ミリの大豪雨となり、大規模な土石流が発生しました。
その土石流で道路が寸断され、流される家もありました。
家が崩れ落ちる瞬間の映像がカメラに収められていますが、絶望的としか言いようがないです。
最近、台湾の報道機関もドローンを多用していて、空撮で撮った映像が被害の大きさを知らせてくれます。
床上浸水している家もかなりあるようです。
台湾政府の対応への非難集まる
この梅雨の大水害の惨状になすすべのない台湾の人たちは政府の政策への非難をしています。
確かに台湾の山間部などのインフラはまだまだ整っておらず、ひとたび豪雨が降るとすぐに道路が寸断されてしまいます。
台北はインフラが比較的しっかりしているので、台北の人も経験したことのないような豪雨でも、浸水などの被害はありますが、道路が寸断されたり家が流されたりということはおこりません。
今回の水害では2人が死亡し、行方不明は1人、けがは5人という被害となっていて、まだまだ増えてしまいそうです。
農業と養鶏の被害はあわせて3億円以上になっています。まだまだ被害は広がりそうです。
台湾の梅雨はまだまだ続く
台湾の梅雨は5月中旬から6月中旬です。
まだまだ梅雨前線が停滞していて、引き続き豪雨が予報されています。
台北もさっきまで小雨になっていましたが、また雨脚が強くなりはじめました。
旅行で台湾に来られる方は引き続きご注意ください。