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香港行政長官選挙で親中国政治家当選。格差が更に広がる香港から台湾への移民がまた増えそう

投稿日:2017-03-27 更新日:

香港行政長官選挙で親中国の女性政治家が当選

 香港政府のトップである行政長官を決める選挙が昨日26日に行われました。

そこで親中国派である林鄭月娥氏(59)が当選しました。香港は中国共産党に批判的な人が多く、中国に一体化されることを恐れているはずですが、なぜ親中国派の人物が当選してしまったのでしょうか。それは香港の選挙制度にカラクリがあります。

香港の選挙は「直接選挙」ではなく、民意を反映していない

 香港の選挙制度は行政長官を選ぶ際、業界ごとに選出された定数1200人の選挙委員会の投票という方法をとります。

業界ごとに選挙委員を選ぶというのが肝で、もはや中国の経済に取り込まれてしまった香港の現状では、どの業界も中国無しでは立ちゆかないため、親中国の人物を推す人が多くなります。

直接選挙で総統を選ぶ台湾では中国寄りの国民党にNOを突きつけることができましたが、経済界の人たちは親中国派の人が多いです。

香港人の民意との大きなねじれ

 一番新しい世論調査によると、親中国派の林鄭氏の支持率は30%しかなく、対抗馬の曽氏は56%もあったそうです。民意が全く反映されていない選挙に香港の人たちはかなり憤っているようです。

民主派の人たちは「民意を反映しない選挙制度に問題がある」と不満を強めていて、一般の有権者が投票できる普通選挙の導入を求める声が高まっています。

今後も広がり続ける香港の格差

 香港は中国人富裕層の人たちと中国資本の流入で格差がとんでもないことになっています。親中国派の行政長官が今後も執政を続けることが決まり、格差はさらに広がり続けると予想されます。

特に不動産価格の高騰はひどく、ベッド一つだけのスペースに2,000香港ドル(約28,000円)もかかります。一部屋でなく、ドミトリー式のベッド一つ分です。

なかなか働くことができない高齢者たちはこのような雨風をしのぐだけの場所に住み、食事はボランティアや慈善団体がつくるものに頼るという状況です。香港には健康保険や年金という制度が整備されていないし、生活保護も機能していないようです。

ワーキングプアも深刻化

 日本でずっと前から大問題で、台湾でも問題となっているワーキングプア。香港でも問題となっています。ワーキングプアは中国語で「在職貧困」となるようです。カタカナで表すより重い感じがあります。

2017-03-27

香港は物価は高いですが、賃金も高いのかと思っていましたが、最低賃金はなんと一時間あたり34,5香港ドル(約495円)しかないそうです。しかもこれは5月1日のメーデー以降に適用されるもので、今はもっとやすいとか。

台湾の最低賃金は香港より少しばかり安い程度ですが、台湾は香港に比べると物価と家賃が安いので、実質的に台湾の方が暮らしやすそうです。

Youtube「變老變窮! 港貧窮問題 半數民眾認為嚴重」

香港やマカオから台湾に移民する人激増 5年で約2倍に

 香港が以上のように一国二制度も守られず、政治的にも経済的にも中国に同化され、貧困が進む中、台湾に移住する香港人が増えています。マカオの人も同じような状況なようで、香港とマカオから台湾に移住する人はここ5年間で2倍となりました。

香港人やマカオ人からすると、台湾は中華圏で民主化されている最後の砦で、文化も言葉もそんなに障碍がないので移住しやすいのでしょう。私の友達でも香港にルーツを持つ台湾人は多いですし、香港から来て中国語を勉強している人もいます。(香港は広東語がメインなので、北京語ベースの台湾国語ができない人も多い。)

台湾の人の中には「台湾も一国二制度にすればいい」と主張する人も結構いましたが、香港の現状を見るにつけて、そういう主張をすることは少なくなりました。香港の現状を見て、明日は我が身と警戒を強めていて、香港からの移民には好意的な人が多いようです。

あと5年は中国寄りのトップが行政をつかさどることとなり、台湾に移住する香港人はさらに増えそうです。

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