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台湾、同性婚NGは違憲と判断。今後懸念される問題と台湾人の本音。中国人もなぜか大喜び。

投稿日:2017-05-26 更新日:

台湾が同性婚を公的に認める方向へ大きく舵を切りました。あと2年以内に法律も改正されて、アジア初の同性婚OKと国となるでしょう。

このことは日本の各メディア、海外のメディアでも大きく報じられました。

同性婚を認めない民法は憲法違反

5月24日、台湾の憲法解釈を司る司法院大法官会議が同性婚を認めない今の民法は違憲であると判断しました。

台湾では根強いLGBTの人たちや支援者の運動によって、結婚は認められずとも、地方自治体レベルではパートナーシップ証明書が発行され、台北と高雄では相互に情報を共有していましたが、今後は全国で「結婚」が認められることとなります。

台湾のLGBTの現状

LGBT支援・レインボーいいね

日本人が台湾に長期で滞在して驚くのは、LGBTの恋人たちがMRTの車内や駅、デパート、大通りでイチャイチャしていることでしょう。旅行者の人でも目にする人は多いかもしれません。

南部では偏見が少ない?

特に私が南部の高雄にいた時、その傾向は強く感じられました。日本で30年くらい暮らしながら、カミングアウトしたLGBTの人たちを見たこともなければ、イチャイチャしている姿も見たことがなかったので、かなり驚きました。

南部は熱帯で開放的ということもあるかもしれませんが、民進党支持者が多く、リベラルなのも関係していると思います。今回、同性婚が違憲と判断された背景には民進党の蔡英文総統の強いバックアップがあったとの指摘もありますし。

北部、特に台北は国民党と共に大陸から渡ってきた人たちが多く、儒教的な価値観がまだ残っていて、子孫を残して祀ってもらうことが何よりも大事と思っている人が多いということも考えられます。

台湾LGBTの人たちを題材とした文学選集、日本でも出版

台湾において、セクシャルマイノリティをテーマとした文学がかなり出版され、多くの人に読まれています。それらの文学は日本でも注目されて、選集として翻訳出版されているほどです。

ここ数ヶ月はLGBT運動の盛り上がりに沿った形で、書店でも「同志文学(ゲイ文学)」の特集がなされて、「薔薇~~」という表紙の本が平積みにされたりしていました。

台湾の人たちの本音

台湾の人たちにLGBT問題の話を聞くと、だれもがLGBTの人たちにも平等な権利があるべきだと答えますし、LGBTの人たちに寛容です。今回の憲法上の判断はそういう世論の後押しも間違いなく反映されていました。

しかし、そういう人たちでも、「ただし自分の子供がLGBTであった場合は別」という本音を隠さない人も数多くいます。他人のことに対してなら冷静でも、家族のことになるとそうではなくなるのでしょう。家族の結びつきが強い台湾ならなおさらです。

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中国人もなぜか大喜び

ネットの反応を見ていると、なぜか中国人がこのことを誇っている姿を散見しました。その中国人の論理によると、「台湾は中国の一部。台湾=中国はアジア初の同性婚OKの国」とのこと。

冗談なのか本気なのか分かりませんが、彼らの中の論理では整合性があるのかもしれません。それなら民主的な選挙とかも導入すればいいのにと思いますが。。

今後、懸念されること

台湾で同性婚が認められることになるというニュースは台湾や日本ではもちろん、他の国々でも好意的に報道されています。私も歓迎すべきことだと思います。ただ、いくつか懸念されることもあります。

利益のための偽装結婚が増えないか心配

日本でもそうですが、台湾でも結婚すると税制上などでいろいろ優遇されます。同性同士の結婚もOKとなると、経済的に逼迫している男&男と女&女がとりあえず婚姻届だけ出しておくかという判断をする可能性があります。

配偶者ビザ目的の偽装結婚も

あと、台湾人と外国人が結婚すると、外国人には配偶者ビザが出て、実質無制限で働くことができるようになります。台湾の労働ビザ要件はかなり厳しく、なかなか出してくれませんし、出してくれたとしても色々制限があり、たいへん不便です。

私も台湾で労働ビザで滞在しているのですが、手続きとかもかなり大変です。

今後、同性婚が認められるようになれば、労働目的で偽装結婚をたくらむ輩たちが更に暗躍してしまう可能性があります。

日本でも偽装結婚は問題となっており、見つかればけっこう重い罪になるようですが、あとを絶ちません。その結婚が偽装かどうか判断するのが結構大変ということもあると思います。

根強い反対運動

今回、同性婚NGは違憲と判断されたものの、同性婚反対派の人たちは依然として多く、各地でデモも起こり、衝突が繰り返されています。特に与党・民進党のすることには何でも脊髄反射で反対する国民党の人たちは政争の道具として同性婚問題を扱っています。

違憲と判断された以上、おとなしくなる可能性もありますが、日本の関東地方からの農作物輸入禁止問題では堂々とデマを流していましたし、まだまだどうなるか分かりません。

日本も台湾に続くか

台湾はアジア初の同性婚OKの国になりそうですが、日本もこれに続いていくのでしょうか。日本でも渋谷区などの地方自治体によっては同性同士の「パートナーシップ証明書」を出すところもありますし、そのうち法律的にもOKとなることでしょう。

ただ、日本は江戸時代までは同性愛が普通だったのに、まだまだ偏見が強そうですし、いろいろ軋轢が生まれそうです。台湾の波に押されてカミングアウトする人も増えてくるかと思いますが、そういう時に慌てふためいたり、無意識のうちに差別してしまわないためにも、予習しておいたほうが良いかもしれません。

私は台湾に住んで、数多くのLGBTの友達や学生と接して、実地で勉強できましたが、先に知識を仕入れておけばよかったと今でも思います。

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