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台湾軍がミサイル誤射、台湾漁船に命中し、1人死亡3人負傷。軍曹の人為的ミスの疑い。中国軍が反撃態勢に入ったという報道も。

投稿日:2016-07-01 更新日:

 今日の午前、台湾の澎湖島近海で台湾海軍の艦隊が誤射したミサイルが台湾漁船に命中し、1人死亡、3人負傷という大惨事が起きてしまいました。

ミサイルが命中し、大破した台湾漁船

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鑑識初判 飛彈貼海飛行 從漁船後方貫穿駕駛艙 - 政治 - 自由時報電子報

 ミサイルは船の後方から迫り、船体を完全に打ち抜きました。操縦中だった漁船の船長が死亡し、息子と外国籍の作業員2人は負傷しました。最初にこのニュースを聞いた時、台湾海軍の対艦ミサイルが当たったなら、漁船なんて木っ端微塵になって沈没し、生存者はいないのではないかと思いましたが、ミサイルが炸裂しなかったため、バラバラになるのは避けられたようです。

「父を返して」と嘆く家族たち

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「還我爸爸來!」 翔利昇號家屬痛罵國軍 - 社會 - 自由時報電子報

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 突然の悲報に亡くなった船長の家族は台湾軍に対して「父を返して」と嘆き続けています。訃報の第一報は被弾した船から、息子によってもたらされたそうです。いたたまれないです。

原因は慢心した軍曹のミス


 ミサイルを誤射してしまうなど、通常あり得ないミスです。 そもそもミサイルを発射するためのプラグは士官しか扱えないのに、なぜこんなことが起きたのか原因究明が続けられていたところ、「金江軍艦飛彈中士」直訳すると「金江軍艦のミサイル軍曹」のミスだと分かったとのこと。「中士」というのは見慣れない階級ですが、日本で言う「軍曹」のようです。
 この高嘉駿軍曹は、金江軍艦に4年乗船しており、ベテランだと自負して慢心していたようです。そしてミサイルを点検した折、プログラムを「模擬模式(テストパターン)」ではなく「作戦模式(作戦パターン)」にしてしまい、誤射されてしまったとのこと。軍隊内でのイジメで死者が出たりと不祥事が続く台湾軍ですが、普段からこんなに緩い規律の中で動いているとしたら、空恐ろしくなります。

本来なら軍曹以上の上官2人の許可も必要だった

 ただ、本来なら軍曹の判断だけでミサイルを発射することはできず、保険として軍曹より上の階級の士官2人の許可も必要とのことです。軍曹の慢心が引き起こした人為的なミスですが、上官たちにも責任の一端はあり、上官も処罰されるようです。

今回の事件で処罰される士官と将校一覧

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誤射飛彈懲處名單公布!海軍上將司令等7人記過 - 社會 - 自由時報電子報

 先ほど事件で処罰される士官および将校の一覧が出ました。軍曹より上も、中尉、中将、海軍司令部の上将まで処分されるようです(ただ、上将は自ら処分を願い出たようです)。上将は日本で言う上級大将(大将より上の階級)でしょうか。ほぼ最高位の将校まで処分されるというところに今回の誤射事件の重大さがうかがい知れます。

中国人民解放軍が反撃態勢に入ったという報道も

 『壹週刊』は「中国のレーダーは台湾全体を覆っている。台湾軍のミサイル発射を認識した後、福建省のレーダー情報が乱れ、あと五秒で中国から反撃のミサイルが発射されるところだった」と恐ろしい報道をしています。
 しかし、台湾軍の参謀長らはこの報道をデタラメとして完全否定。地球の曲率の関係で、中国軍がレーダーで捕捉できるのは上空3,000メートル以上のため、今回のような海面スレスレのミサイルを把握するのは不可能とのこと。
 ということは、もしミサイルが上空に誤射されていたら、中国軍は反撃も辞さなかったことでしょう。好機として台湾各都市をミサイルで火の海にしていたかもしれません。私は台北の真ん中に住んでいるので、真っ先に死んでました。台湾には最近ものすごく多くの日本人が来ていますし、外国人観光客も多いです。一発の誤射をキッカケとしてミサイルの撃ち合いになれば、一発の銃弾で世界を大混乱に陥れた第一次世界大戦のような大規模な戦争になっていたかもしれません。

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中國飛彈差點反擊? 專家斥「一派胡言」 - 政治 - 自由時報電子報

 今のところ、中国政府は何か公式に誤射事件に対して何か言っている様子はありません。中国のネットユーザーは台湾軍の緊張感のなさをあざ笑っているようですが。
 台湾が蔡英文政権になってから、中国と台湾の間には緊張関係が続いています。今回のミサイル誤射事件が更なる緊張関係をもたらし、軋轢を深めることは必至なのではないでしょうか。桃園国際空港の浸水被害や中華航空(チャイナエアライン)の大規模ストライキ、台湾鉄道の相次ぐ脱線事故など、最近立て続けに色々な事件が起こっています。野党となり、下野した国民党勢力は中国と歩調を合わせるように台湾民進党と蔡英文総統を攻撃してくることでしょう。どうにか持ちこたえてほしいものです。

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