台湾の不動産市場が氷河期を迎えています。最近、台北101や台北市政府(市役所)に近く、台北で最も栄えている信義区の不動産に全く借り手が付かないのです。
報道ではデパート大手「新光三越」でも借り手がつかず、台湾不動産市場の冷え込みは証明されたと言っています。
新光三越
新光三越の家賃は1年につき25億円
この建物、一年の家賃は25億円とのこと。しかも12年借りる契約を結ばなければならず、300億円を用意しなければ借りられないようです。
台湾経済が過度に依存している中国経済の先行きが不透明な中、300億円をポンと出せる人はいないのでしょう。中国からの投資マネーも減少しつつあり、中国からの旅行客も日本のように爆買いしてくれるわけではないので、消費も冷え込んでいますし。
インフレが続く台湾
台湾はずっとインフレが続いています。あらゆるものの値段が上がり、最近は市販薬の値段も上がりました。いつも行っている美容院の価格も来年から値上げするそうです。薬は必要なものだし、長年髪を切ってくれている美容師をいまさら変更するのもいやなので、必然的に他の消費を切り詰めなければなりません。
最低賃金などは一応上がっていますが、インフレには追いついていません。ほとんどスタグフレーションですね。
下がらない不動産価格
不動産市場は冷え込んでいて、ほとんど売り買いがなされていないようですが、全く下がりません。都心のマンションが1億二千万円とかします。冒頭の「三越」にしても、借り手がつかないなら値下げすればいいのにと思いますが、値下げをする気がないようです。信義区の他の超高級不動産も、借り手がつかないのに、値下げをする気はないようです。
値下げをしたら損をするので、どこも値下げしたくなくて、どこが先に値下げするのかチキンレースをしているのか、もしくは裏で結託して値下げしないように話し合っているのかもしれません。
不動産価格が下がれば、市民はだいぶ楽になるのに
台北の一般的な部屋は、一人暮らしの場合、一ヶ月・約4万円です。大卒の初任給が8万円くらいなので、給料の半分を家賃で持って行かれてしまいます。携帯代や食事代を考えると、これではほぼ生活ができません。不動産価格が安くなれば、台湾の人もだいぶ楽になるのですが。