2010年の開通予定から7度も延期した桃園MRT空港線がついに3月2日から正式開業されると発表されました。これでやっと台湾最大の桃園国際空港と台北駅が鉄道で結ばれることになります。
この空港鉄道計画が持ち上がってから20年、工事開始から10年という紆余曲折の苦難の時を経てここまでたどり着きました。
私が台湾に来たのは2009年2月末。その時から「来年桃園国際空港にMRTができるらしいよ」という話を聞いていて、それがいつになっても「来年」のままで台湾人すら本当に開通すると信じていませんでした。
今度こそ本当に開業しそうですが、ここは台湾。本当に予定通り走るのかどうかちょっと不安ですし、開通後も様々なトラブルが起こりそうです。
営業時間は案外短い
空港MRTの運行する時間は午前6時から午後11時までとのこと。台北MRTは夜12時半くらいまで営業しているのでちょっと短いです。飛行機の遅れや、そもそもLCCは発着時間がすごく早いか遅いことが多いので、空港MRTが使えないこともありそうです。そういうときは今まで通りバスかタクシーにのってくださいということでしょう。
運賃は安くもなく高くもなく
気になる運賃ですが、台北駅から桃園国際空港まで160元(約580円)です。台北駅から桃園国際空港までバスで125元だったと思うので、それから考えると少し高いですがまぁ妥当なところでしょう。
新幹線で台北駅から桃園駅まで行き、そこから連絡バスに乗るという手段もあり、そちらは200元くらいだそうなので、MRTは高いという声もありますが、乗り換えの手間とかを考えると空港MRTのほうが楽かもしれません。
ただ台北MRTの台北駅から桃園MRT空港線の台北駅までけっこう離れていて、歩くと10分くらいかかるそうです。桃園MRT空港線の台北駅は台北MRTの台北駅よりむしろ北門駅のほうが近くなるそうです。
台北駅は鉄道と新幹線、MRTの駅が密集していて、かなり迷宮化しています。地元の人でも迷うほどのダンジョンで、私もよく行くにも関わらず迷います。移動時間と迷う時間を鑑みて、余裕を持って早めに出たほうが良さそうです。
空港までの所要時間
桃園MRT空港線は、2つのタイプがあります。一つ目は台北市内から空港まで主要駅のみ停車の「直達車(急行)」。そしてもう一つは各駅停車の「普通車」です。
所要時間は直通の直達車の場合、台北駅〜台湾桃園国際空港間を35~36分で、普通車は約45分とのこと。普通車の場合、リムジンバスの台北駅→桃園国際空港とあまり変わりません。
しかしバスの場合、利用客がものすごく多いためバスに乗り込むまでかなり待たなければならないことがあります。しかも土日や祝日だと高速道路が渋滞し、一向に車が進まないこともあり、かなり焦ります。桃園MRT空港線はそういう心配が無いのがポイントです。
2月2日からプレ開業、正式開業まで運賃無料!
正式開業に先駆け、2月2日からプレ開業されるそうです。そしてプレ開業中は運賃無料とのこと。ただ15日までは団体客のみ対象で、16日から一般の個人が乗れるようです。
正式開業後1ヶ月は運賃半額
正式開業後の一ヶ月は運賃半額だそうです。その間に海外へ行く予定は今のところありませんが、せっかく半額なので乗り心地や沿線の駅を訪れていろいろレポートしてみたいと思います。
正式開業後もゴタゴタは続く
ようやっと、ねんがんの桃園MRT空港線が開業しますが、遅れに遅れた工事計画に台湾政府は激怒。工事を担当した日本の総合商社・丸紅に多額の賠償金を求めているとのこと。
逆に丸紅も政府がコロコロ業者を変えたり計画を変更したとキレて政府を訴えて更に高額の賠償を求めている模様。
長年続いた工事の方はやっと終わりましたが、これからは法廷で長い長い戦いが繰り広げられることとなります。