中国・福建省の大学が台湾から200名以上の常勤の大学教員を募集すると発表しました。
しかも給料は台湾の大学教師の2倍以上だとか。
この記事の目次
台湾でも深刻化する高学歴ワーキングプア
台湾でも少子化の影響で大学の統廃合が進んでおり、常勤の教員のポストは激しい競争率となっています。
日本と同じく台湾でも、博士課程を卒業しても常勤の職がなく、ギリギリの生活を強いられている非常勤講師が増えています。
台湾では日本の社会で起こったことが大体10年後くらいに同じように起こることが多いですが、高学歴ワーキングプアもやはりそうなりました。

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国際的に見ても低い台湾の大学教員の給料
台湾の大学教員の給料は国立なら一律で決まっており、私立もそう変わらないようです。
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日本も各分野の教授でそこまで差があることは無いと思いますが、中国はアメリカ方式をとっているようで、金融・経済・経営や科学技術などの分野の教授の給料は台湾の何倍にもなります。今回、中国福建省が台湾から招きたい教員もそれらの分野が中心だと思います。
日本語教師の給料や待遇も中国のほうが台湾より良い
意外なことに日本語教師の給料も、中国で教えたほうが台湾より高く、待遇もよかったりします。中国の大学の場合、広い教員用宿舎が無償で使えたりしますし、半年に一度帰国するための飛行機代まで出してくれるところもあるようです。
台湾の大学の場合、もちろん宿舎があっても有料で飛行機代を出してくれるところも極稀でしょう。少なくとも私は聞いたことがありません。
なぜ中国の日本語教師はこんなに待遇が良いのかと言うと、単純に需要に対して供給が足りていないのだと思います。日本の報道で中国の負の面ばかり見ているので、なかなか中国(特に内陸部)で教えようという人が出てこないのだと思います。
中国の大学で日本語教師なんか、反日がひどくてキツイのではと思いますが、私が見聞きする範囲ではそんなことはなく、逆に反日暴動が活発化した時には学内一体となって日本人教員を守ってくれたりするようです。
私も中国の大学で教えてみないかと引き合いがあり、好条件に少し惹かれましたが、若いころならいざしらず中国の環境汚染と食物に身体が耐えられないだろうということと、台湾でお世話になった人たちへの恩返しもしないまま離れるわけにもいかないので、台湾で仕事があるかぎり続けていこうと思っています。
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台湾は今後数年で大学教員の退職が多くなり、教員の数が足らなくなる?
現在あまり気味な台湾の大学教員ですが、今後数年で多くの教授が退職するため、教員数が不足するのではという予測もあります。そんななか優秀な教員が中国に引きぬかれてしまうのはかなりの痛手となりそうです。