台湾の若者がオーストラリアで違法に労働し、現地の警察に捕まったそうです。
台湾人、中国人、マレーシア人の不法就労者
「オーストラリアのイチゴ農場で不法就労者が多数働いている」という通報を受け、現地の警察が深夜に捜査したところ、台湾人や中国人、マレーシア人などの不法就労者が検挙されたとのこと。
就労ビザの期限切れ、観光ビザなのに仕事をしていた、そもそもパスポートすら持っていないと違法の理由はそれぞれのようです。
台湾は中国や東南アジアに比べると裕福な国というイメージがありますが、台湾の若者は給料が低くおさえられ、中国と同じくらいになってしまっています。今回の報道はその現実をまざまざと見せつけており、台湾の人たちもショックなようです。
大卒初任給が8万円未満の台湾
台湾はリーマンショック以降、大卒でも初任給が22,000元(約8万円)に抑えられてしまいました。台湾政府は一時的な措置のつもりだったようですが、それが今でも定着してしまっています。景気はいくらか回復しましたが、若者の賃金は上がりません。日本も同じですがひどい話です。
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日本はまたデフレ傾向なので、給料が低くても切り詰めればなんとかなります。しかし台湾はジリジリと物価や電気代は上がり続けるのに給料は抑え込まれ続けるスタグフレーション状態が長く続いているため、台湾に見切りをつけ海外へ活路を見出す若者が多くなっています。
ワーキングホリデーに行く台湾の若者たち
台湾の給料が低すぎるため、稼ぐためにワーキングホリデーに行く若者が増えています。日本人がワーホリに行く場合、ワーキング「ホリデー」という言葉通り、海外の文化を体験しながら、適度にアルバイトなどをするというイメージが強いですが、台湾人の場合、ガッツリ金を稼ぎに行くという人も多いです。
日本へ行く人もいますが、ニュースのように賃金の高いオーストラリアに行く若者が多いです。オーストラリアの牧場などは人手不足でかなり給料が良くて、一年働き詰めれば300万円程度の貯金もできるとのこと。
初任給8万円未満の台湾で300万円貯めるのは至難の業。そこでオーストラリアで稼いでそれを元手に自分で店や会社を作る人や、投資家を目指す人が多いです。
中国へ行く台湾の若者たち
台湾の給料が引き下げられ、中国の賃金が上がり、北京や上海などでは台湾より給料が良い場合もあります。そのため、台湾の若者の中には中国で就職する人も増えています。中国としても、教育水準が高く、言語の障壁のない優秀な台湾の若者は大歓迎のようで、台湾で就職する5倍の賃金で雇うこともあるとか。
中国にしても台湾の若者にしてもウィン・ウィンの関係ですが、台湾の若者としてはやはり台湾に残りたいという気もちが強く、忸怩たる思いを抱えているようです。
日本も若者を痛めつけすぎるといずれこういう状況に追い込まれるかもしれません。