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中国で台湾のNGO関係者が拘束される。台湾政府が中国のスパイを逮捕した報復か

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 中国で台湾の非政府組織(NGO)関係者・李明哲氏がスパイ容疑で拘束され、台湾では大きな話題となっています。

中国政府が台湾NGO職員拘束を認める

 中国の公安によって拘束された台湾人は台湾の与党・民進党の元職員で中国で人権問題に取り組んでいたそうです。中国との関係が悪化し続ける中、今月中旬にマカオから中国に入った後、家族とも連絡が取れなくなっていました。

台湾ではこの李明哲氏失踪に関して、中国に拘束されているのではないかと言われていましたが、中国政府が身柄を拘束していることを認めました。

「国家の安全を危うくする活動をした疑い」で拘束された台湾人

 台湾問題を担当する中国国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は李明哲氏が国家の安全を危うくする活動、つまりはスパイ活動の容疑で身柄を拘束していることを公表しています。

靴を持った中国の美女
Photo by Xuan Zheng (Creative Commons)

日本人でも近年、中国であらぬ疑いをかけられ、スパイ容疑で拘束される人が後を絶ちません。最近民主化運動が盛んな香港の人も中国大陸で拘束されています。台湾人は今までは親中国の馬英九総統が中国寄りの政策をとっていたため、いきなり拘束されるようなことは聞いたことがないですが、ついに台湾人まで拘束されるようになってしまいました。

NGO職員の拘束は、台湾の対スパイ政策への報復か

 台湾の楊憲宏氏は今回の李明哲のスパイ容疑での身柄拘束について、中国の報復ではないかと言っています。台湾では中国共産党から送り込まれたスパイが5,000人以上いるとも言われ、内部から台湾を侵食しています。そのため、台湾は中国からのスパイをあぶり出し、逮捕していることから、中国の報復という見方はさもありなんというか、絶対そうでしょう。

中国からの留学生がスパイ活動して逮捕される

 台湾の台北地方法院(地裁)は、スパイ行為を行った中国から来た留学生を「国家安全法」違反で逮捕しました。

逮捕された男子学生は2012年に台北の政治大学に入学し、2016年に卒業していました。この男は外交部(外務省に相当)の職員を日本旅行に招待し、金銭を渡して機密資料を入手しようとした疑いで捕まりました。台湾人が好きな日本旅行という餌で釣るあたり、台湾人の心を分かっています。

この逮捕された男は、小遣い稼ぎのチンケなスパイではなく、国務院台湾事務弁公室の高官の指示を受けて、台湾の高官と接触していたなかなか凄腕のスパイだったようです。

 台湾は2011年から中国人留学生を受け入れていますが、留学生の中にはかなりのスパイがいると思われます。台湾でこれですから、日本にはもっとたくさんのスパイが潜んでいると思います。日本はスパイを積極的に探して逮捕するというようなことをあまりしていないし、関連する法律も整備されていないそうなので、情報は筒抜けかもしれません。

台湾の元軍人がスパイ

 留学生だけでなく、台湾の軍隊内部までスパイに侵食されています。先頃、台湾軍の元中佐2人が台湾の軍用機パイロットの写真や個人資料、軍の機密資料を集めて中国政府に提供し、その見返りに金銭を受け取った疑いで逮捕されました。

台湾の軍隊は内部でのいじめやミサイル誤射事件など、不祥事がつづいていますが、中佐まで務めた元軍人が中国へ機密情報を流していたとは驚きです。また、現役の空軍の大尉が将校に対してスパイ行為を行おうとして逮捕されるという事件も起きています。

台湾は武器や装備、戦闘機なども新調して、兵器の独自開発もして中国の軍事拡張に対抗していますが、内部にこんなスパイがいるようでは、戦う前にやられてしまいそうです。

台湾はスパイ対策を強化

 以上のような惨状から、台湾政府は中国共産党のスパイに対する対策を強化すると意気込んでいました。こうした中で起こった台湾NGO職員の突然の拘束。偶然ではなさそうです。

台湾は市場が小さいことと、人件費が高いため、台湾企業の多くは中国に工場を持ち、中国の消費者に商売をしています。その何万という台湾人ビジネスマンも「立ち入り禁止区間に入った」だの「軍事施設を撮影した」だの難癖をつけられいきなり中国に拘束されてしまう危険があります。

台湾政府は中国政府に理性的な対応をするよう求めていますが、日本や最近の韓国に対する対応を見ると、それは難しそうです。

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