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八田與一の銅像の首が切られる痛ましい事件。台湾のネットの反応がひどい

投稿日:2017-04-16 更新日:

 今日昼頃起きて、ネットを見たら衝撃的なニュースが報道されていました。

八田與一像の首が切り取られる

 八田與一は日本統治時代の台湾で、南部の嘉南大圳(かなんたいしゅう: Jianán Dàzùn)という大規模な水利工事に尽力しました。その人の銅像の首の部分がスッパリと斬られてしまったのです。

※ 八田與一は現在の日本の表記では「八田与一」と書き、読み方は「はったよいち」です。

 戦時中、フィリピンの綿作灌漑調査のため広島県宇品港で乗船し、出港しましたがアメリカ海軍の潜水艦グレナディアーの雷撃により撃沈、八田も殉職しました。

 数年前、甲子園で準優勝した台湾公立嘉義農林学校(現・国立嘉義大学)の野球部を描いてヒットした台湾映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』では八田與一が登場し、大沢たかおが八田役を演じました。

台湾では漫画になったり、アニメにもなっていて、日本でよりも有名です。

 ちょっと調べると、今では日本でも小学館で漫画化されたり、

古川勝三氏が『台湾を愛した日本人(改訂版) -土木技師 八田與一の生涯-』として書籍化されているようです。

 私が八田與一を知ったのは、小林よしのり『台湾論』でした。毀誉褒貶のある本で、台湾でも問題となった本ですが、台湾を知る取っ掛かりとしては依然として一番良い本かと思います。

首を切り取られた八田與一の銅像の写真

hatayoichi

痛ましくて、思わず涙が出てしまいます。

八田與一の銅像の沿革

 八田與一の銅像は烏山頭ダムに設置されており、ダム完成後の1931年(昭和6年)に作られたものです。

 八田與一自身は像の設置を固辞していましたが、住民と工事に関わった人が熱心に像の設置を推進したため、最終的には銅像が建てられることになりました。ただ、銅像は八田與一の意向を汲んで、威圧的なものではなく、工事中に熟慮、苦悩する姿が選ばれたとのこと。

台湾住民によって守り抜かれた銅像

 台湾でも大戦中は、国家総動員法に基づく金属類回収令の施行で、銅像などは徴発されましたが、住民は守られました。中華民国時代になり、蒋介石の国民党政府が日本が残した建物や顕彰碑、銅像を破壊しましたが、八田與一の銅像は住民によって隠され、1981年(昭和56年)1月1日に、再びダムを見下ろす今の場所に設置された歴史があります。

 このように守られ続けた銅像が、今回このように無残に破壊されてしまった姿を見ると悲しくて涙がジワジワ出てきてしまいます。

蒋介石像破損の報復か

 台湾では近年、各地に設置された蒋介石の像にペンキがかけられたり落書きされたりという事件が相次いでいます。こうした事件はもちろん器物破損で犯罪ですが、228事件で多くの台湾人が犠牲となったので、犯人があまり糾弾されることはありませんでした。

 それに業を煮やした急進的な国民党支持者が八田與一の像を破壊して報復をしたという見方もあります。

台湾人ネットユーザーの反応

 実際、UDNのニュースサイトに大量についたコメントは「蒋介石の像は破損されても騒がないのに、なぜ日本人の像が破壊されたら問題になるのか」というものがほとんどです。

また「日本統治時代に八田與一が行った水利工事は日本のために行ったことだ。八田與一は日本の犬だ」や「治水工事でできた農地で収穫された米は日本へ運ばれた」という書き込みもあります。

これは当時、台湾が日本領だったので、そういう側面は否定できないです。ただ、八田與一は地元の台湾人や工事に従事した人たちを分け隔てなく家族のように扱っていました。不当に台湾人を酷使していたりしたら、住民の要望で銅像を建てられることなどなかったでしょう。

 日本が台湾を統治していた時期、台湾人を差別していたり、不法に台湾人の富を収奪するような心無い人がいたことは事実ですが、それによって当時のすべての日本人が貶められるのは悲しいです。

犯人は日本の文化財破壊と同じく中国人という声も

 先ごろ、日本の神社仏閣を破損させていた犯人が捕まりました。朝鮮族と思われる姓の中国籍の二人組でした。今回の台湾の八田與一像破損もやはり中国人ではないかという声も上がっています。

台湾人は日本人と同じようなアニミズム的な宗教観なので、いくら憎いとは言え、地元の人に親しまれている銅像の首を切ってしまうというのはやりそうもありません。

中国で共産党のゴリゴリの唯物論を奉じている人なら何の躊躇もなくやりそうです。台湾には中共のスパイが多数入り込んで問題となっていますが、もしかしたら犯人はそういうスパイの一味かもしれません。この事件がキッカケで、日本と台湾の関係が悪化すれば、中共としては万々歳でしょうから。

台湾のニュースサイトに簡体字の書き込みも

 犯人は捕まるまで分かりませんが、台湾のニュースサイトについたコメントの中には中国大陸で使われる簡体字のものも見られます。台湾人を偽装しているのですが、偽装しきれていません。

そういう書き込みの中には「次の標的は台湾に残る日本の神社」とか「他の日本人の銅像も破壊しろ」とか「銅像じゃなくて日本人の首を切れ」とか過激なものが見られます。殺害予告とも捉えられる書き込みは台湾でも犯罪となるのですが。。

 台湾の人たちは概ね親日的ですが、中には反日の人もいるし、中国のスパイもおおく紛れ込んでいるので、台湾でも慎重になる必要があります。

八田與一像は10日程度で修復される見込み

 切り取られた八田與一像の首は持ち去られたようで、見つかっていません。見つかって修復されれば良いですが、すぐには見つからないでしょう。

 八田與一像にはレプリカがあり、それを元に、10日ほどで修復されるとのこと。来月5月8日は八田與一が戦死した命日であり、式典が行われますが、それには間に合いそうです。

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