台湾の貧富の差を表す指数が10年間で2倍となりました。
台湾で進む貧富の格差とは?
富めるものはますます富み、貧しい物はますます貧しくなる格差社会がすごい勢いで進行中です。
私は台湾に来てもう8年目ですが、確かに格差が広がっていると感じます。
台湾の確定申告で分かった貧富の差
台湾は5月末までに確定申告をしなければなりません。
この確定申告の所得税の統計によると、納税額上位5%と下位5%の差が10年間でかなり広がったようです。
最富與最窮5% 貧富差距飆至112倍 - 焦點 - 自由時報電子報
タックス・ヘイブンがあるので本当の差はもっと酷い
日本でもパナマ文書で問題視されていましたが、金持ちはタックス・ヘイブン(租税回避地)を使うことで本来納めるべき税金を納めていません。
また、台湾の貧困層は所得が税金を納める基準まで行かない人も多く、実際の貧富の差はもっとエグいことになっているはずです。
台湾でも増える不安定な非正規雇用
日本でも問題となっていますが、台湾でも契約社員や派遣社員のいわゆる非正規雇用が増えて問題となっています。
日本はいちおう派遣などに関する法律があるのですが、台湾は無いため経営者のやりたい放題になっていると学生から聞きました。
アルバイトをしようにも、台湾の労働ビザは居留証に記入してある勤務場所以外での仕事はできないので、外国人はどうしようもなく、ネットで小銭を稼ぐのがせいぜいです。
あと2年、今のところで働けば台湾の永久居留証に切り替えられるかもしれないので、それまで必死で耐えなくてはなりません。
配偶者ビザがあれば、制限なくどこでも働けるのですが、こちらの女性は日本以上に金銭感覚にシビアなので、非正規雇用だとだいたい望み薄です。
台湾で増える高級車(フェラーリ・ポルシェ・レクサス等)
ひるがえって格差の上の方はじゃんじゃん消費しまくっていて、台北の街を走る高級車はどんどん増えています。
ポルシェなんかフォルクスワーゲンの車よりよく見るくらいです。
台湾は関税率が高く、日本車ですら日本で買うより高くなります。
高級外車やスポーツカーには奢侈税もかかっているので、とんでもない価格のはずですが、お金があるところにはありあまっているようです。
蔡英文総統は貧困問題に積極的だったが
国民党の馬英九総統の時に進んでしまった格差社会、新たに総統に就任した蔡英文は何らかの対策を考えているそうです。
特に若者の低賃金問題は早急に対策したいと言っていました。
国民党の時はデモをしても意味ないと思っていたのが、民進党なら民衆の声を聞いてくれるのではと期待しているのだと思います。
しかし、蔡英文総統は格差の問題に対して大した成果が出せず、統一地方選挙では民進党候補がボロ負けという結果となりました。
以前の国民党時代も格差問題は深刻でしたので、地方の首長が変わってもなかなか解決は難しそうです。