「うつ」は気持ちの問題、「気の持ちよう」だとよく言われます。
私も幾度と無く言われました。そういう人はうつ病を一時的な気分の落ち込みだと勘違いしていて、うつの辛さを知らないので、何を言われても馬耳東風で聞かないふりをしましょう。
まじめに相手をするだけ時間の無駄です
うつ病は脳の病気であり、脳がダメージを受けることで発症する
うつ病になったことの無い人は、いとも簡単に「気の持ちよう」だの「怠けている」といいます。
しかし、人間の脳も自然の一部。
ダメージを受け続けていれば、機能に障害が出るのはあたりまえです。
もし、人間の脳がコンピュータのような電子回路であれば、そこだけを交換して直すこともできます。
しかし、人間の脳は現代科学の粋をもってしても、まだまだ解明できないほど複雑で精密な器官です。
機械のように、電源を止めて直すというわけにも行きません。
そう簡単に脳は壊れたりしませんが、現代社会のようなストレスフルな状況では、誰もがいつでも脳に深いダメージを負ってしまう可能性があります。
チンパンジーやゼブラフィッシュも「うつ」になる
遺伝子的に人間に近いチンパンジーはもちろん、魚類であるゼブラフィッシュでさえもうつ状態になります。
常時自分を攻撃してくる敵がいるのに逃げられない状態に陥ると生物であるかぎり、脳がある限り、「うつ病」になってしまうのです。
うつからの回復は環境を変えることが肝要
ゼブラフィッシュでも鬱状態になってしまうと言う研究によると、「住環境のストレスが原因で脳がダメージを受けて、うつを発症している」とのことで、私自身の経験にも合致します。
うつから回復するためにはやはり環境を変えるのが一番良いと思います。
そうはいっても、今の会社や学校を辞めるわけには、仕事を放り出すわけにも行かないし、、
とか思ってしまうのが「うつ」を発症させてしまうタイプの人なのだと思います。
私もそれで酷いうつとなり、20代の後半4年間を「うつ病」との戦いに費やすことになってしまいました。
それに、うつ病は再発率が大変高いです。
一度脳が負ったダメージは、たとえ寛解したとしても、同じような思考のサーキットをたどることでぶり返してしまうのでしょう。
細心の注意を払っていても、テレビや新聞のメディアが不安をあおり立ててくるので、徐々に消耗してしまうのがこの社会です。
私はテレビを見なくなってから、だいぶ心の平安が得られました。ニュースはラジオやネットで十分です。
ただ、ネットを見るにしても、まとめサイトやSNSのような過激なものはあまり見ないのが得策ですね。
逃げることは悪いことではない
私は幸い死なずにすみましたが、環境を変えるために逃げることは全く悪いことではありません。
中国の戦国時代の孫子も言うように「三十六計逃げるにしかず」です。
中国は現代社会ではいろいろ問題を起こして、日本や周辺国とのトラブルが絶えないですが、「何が何でも生き延びる」という思考を数千年前から洗練させてきました。
特に諸子百家の残した言葉は年を取れば取るほど身にしみます。
孫子が言うように、「逃げること」は生きるために必要な行為だということは間違いないです。